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執筆者の写真Atsushi Yamane

向井秀徳&古川日出男 出張ダイレクトカッティング@早稲田

2022年10月1日(土)に向井秀徳さんと古川日出男さんが語り、演奏し、読み、歌い、それをその場でレコードに刻むというスリリングなセッションを行ないました


【柳井イニシアティブ】レコードプロジェクト『A面/B面 ~Conversation & Music』 – 早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)

という早稲田大学主催のイベントだったのですが、演奏をその場でダイレクトカッティングしかも観客がいる前で、さらにスタジオではなく大学の教室で!!という前代未聞の内容だったのです。



事前に相談を受けた時は、ホントに実現可能なのか?絶対に失敗できないけど、かなりリスキーな内容、これまで聞いたことないよと

思いました。


企画をしたプロデューサーの意図としては下記のような内容でした。


デジタル時代にレコード・カッティングするのか。

デジタル収録が普及したことで、私たちの日常は豊かになった。それとともに、私たちは知らず知らずのうちに、デジタル的な論理に従って構築されている。曲は自動的にチューニングされ、ビデオはデジタルで修正され、エッセイさえも公開される時にはより理解を深めるために編集され、校正される可能性がある。私たちはその点をどのように確認できるだろう?


ツイートやSNS、電子メール、プレゼンテーション、ネット上のコメントを書くとき、私たちは削除ボタンという心強い味方がいる。音楽の収録と同じように、文字を書くことは、読者に感情的な内容を伝えるために、物理的な対象を永久的に修正するプロセスだった。言葉が石に刻まれようが、筆で和紙を染めようが、文芸の創造は、それ自体が 「一発本番の緊張感」を伴っていたのだ。自分の「記録」する言葉には削除ボタンはなかった。しかし、現在では、音と言葉に関して私たちは、必要であれば、その「記録」をいつでも修正できるということを根本的に知っている。


つまり、一切。エディット(編集)が出来ない状況でどのような表現が成立するのか?という文化イベント。これは是非、参加したいという事でプランニングしました。




ちなみにダイレクトカッティングとは演者の演奏を、レコーダーに記録することなく、直接。アナログレコードに刻む技術です。

レコードなので、レベルを間違い大きな音でカッティングすると、即針飛びになるので、そこまでの録音もそこから先の録音もNGになります。

逆に小さな音だとSNが悪いのでそれも NGと録音レベルとレコードの溝幅に管理にシビアな判断が必要なかなり難しいカッティング方法になります。ましてやスタジオの外での録音など難易度マッスクスです。ですが、その刻まれた音の表現力は半端なくこれまで聴いたことの無い力強い音でした。

前日に機材をスタジオから運び込み、セッテイングやテストをかせねて無事何事もなく終了。片面20分に記録領域に無事、余す所なく記録いたしました。


打ち合わせになかったアンコール C面も記録、これには普段、厳しい向井さんからも褒められました。

こちらの音源は春にはプレス盤も完成する予定です。


このようなレコードのダイレクトカッティング、ましてや出張の形で対応できるのは、日本ではウチだけなので

今後も積極的に挑んでいこうと思います。


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